台北人 2008/6/29
〈白先勇、山口守訳、国書刊行会、2008〉
エグザイル(exile)、という言葉を、本書の解説を読んでいてはじめて知った。それは国外追放者、亡命者、異郷を流浪する人々。
『台北人』に描かれているのは、蒋介石の国民党政権が台湾へ撤退するのに伴って、 海を渡ったいわゆる「外省人」と呼ばれる人たち。
舞台は1960年代の台北。かつて国民党軍の勇士であった軍人とその家族たち。上海や南京で輝かしい時代を送ったダンサーや歌手。かの五四運動に参加した北京大学の学生で、今は鬱屈した生活を送る大学教授。様々な背景を持った外省人の、14篇の物語を収めた連作短編集になっている。
失われた故郷への思いに、二度と戻らない時間への愛惜が、重なる。ノスタルジー、という言葉では甘すぎる、そして言い尽くせない。それぞれの物語は、ヒリヒリとした痛みを帯びて、これが私の一度きりの人生なのだと、迫ってくる。
本書で描かれるのは、大陸での記憶を直接に持っている、いわば外省人の第一世代の人たち。現在では次の、さらに次の代へと世代交代が進んで、大陸へルーツを求める気持も薄れている、とも聞く。けれど、台湾について知りたいと思ったときに、避けて通れない本の一冊と思う。
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コメント
はじめまして。
中国文学関係で検索していたら辿りつきました。
私と同じように現代中国語文学を翻訳で追っかけていらっしゃる方がいて大変うれしくて書き込ませていただいてます。
大変失礼かと思いますが、オレンジ色の某所でも
書き込まれていた方ですね。
たぶん某所でお会いできてたかもしれませんね。
(というかかなりお会いしてるのかも・・・うむむ)
本当はメールにすべきなのですが、メールを送る手段が
ないので書き込ませて頂きました。
不愉快であれば削除してください。
またお邪魔しますね。
投稿: @youco | 2008年8月31日 (日) 01時20分
こんにちは。
もしかして、某サイトでお会いしているのでしょうか…?
でもはじめまして。
中国文学の読者の方に出会えて、とても嬉しいです。
もしよかったら、こんどお薦めの作家など教えてください。
ではでは。
投稿: kotoba-hiroi | 2008年9月 1日 (月) 22時38分